心臓カテーテル検査・治療って実際になにをするの?循環器専門医が説明!

医学・健康

みなさん、心臓カテーテル検査といってなにを想像しますか?

話を聞いてもピンとこないかもしれません。

ここでは簡単にわかりやすく心臓カテーテル検査について説明したいと思います。

心臓カテーテル検査の対象は?

カテーテル検査の説明をする前に、その対象となる病気について説明します。

カテーテル検査をする対象の人は基本的には狭心症・心筋梗塞が疑われる人になります。

狭心症、心筋梗塞といってもピンとこないかもしれませんが、どちらも冠動脈いわゆる心臓の血管の病気です。

心臓の血管が詰まりそうもしくは、詰まってしまった状態の病名を狭心症・心筋梗塞といいます。狭心症というのは血管が詰まりかかっている状態のため、意外と無症状の方もいます。

本当につまりかかっているかを評価する方法が心臓カテーテル検査となります。

 

カテーテル検査の手順

カテーテル検査は基本、入院のうえで行います(施設によっては日帰りのところもあります)。

検査だけならば2泊3日の施設が多いのではないでしょうか。(日帰りの場合もあります)

おおまかな流れは前日に入院して、当日検査をして、翌日包帯交換して退院となります。

検査当日は午前か午後によって違いますが、朝は絶食です。事前に点滴をした状態で検査室に臨みます。点滴をする目的は、脱水を防ぐためです。

絶食により体は思った以上に脱水となり血圧低下や、痛みによる迷走神経反射が起こりやすくなるため、それらを防ぐために点滴をおこないます。またほかにも点滴ルートから注射薬を使用することがあります。

検査室到着

検査室についたら、検査台の上で横になります。

カテーテル検査自体は手術室でおこないますので、テレビで見たことのある景色と思われる方も多いかもしれません。

心臓カテーテル検査室
手術台と透視機械

検査台のうえに横になったら検査の準備が始まります。

アプローチ部位といって、カテーテルをすすめていく場所を決めます。施設によって手首、腕、鼠径部といろいろの部位からおこないます。

しっかりと脈が触れる方は基本的には手首、手首の脈の拍動が弱いようなかたはひじになります。

検査で鼠径部から行うことはまれです。太いカテーテルを使用する治療の場合は鼠径部アプローチになることがあります。

アプローチ部位をしっかりと消毒して、体に清潔シートがかかります。

アプローチ部位の消毒

局所麻酔 ~ カテーテルシース留置まで

カテーテルの管を挿入するためにまずは局所麻酔を行います。

人によってはここが一番痛いという方が多いかもしれません。

局所麻酔後に、今度は針をさします、針を刺した部位からガイドワイヤーといって、先端が丸くなったガイドワイヤーを動脈血管のなかをすすめていきます。

ここまでくれば痛みはもう感じません。血管内は痛覚神経がないため、カテーテルが通っても痛みは感じません。

文字通りガイドワイヤーを先行させて、次にそのワイヤーに沿ってシースといったカテーテルの通り道を動脈内に留置します。

ガイドワイヤー
先端が丸くなっているため血管を傷つけない仕様
ワイヤーを先行させて、シースを血管内留置

シースという入り口から造影カテーテルをとおして、大動脈の根本まですすめていきます。

大動脈の付け根に心臓を養っている血管、冠動脈が3本、右冠動脈、左前下行枝、回旋枝と心臓の周囲に走っています。

 

冠動脈造影

まずは右冠動脈に造影カテーテルをパコっとはめて固定します。一応、冠動脈にはまりやすい形になっていますが誰でもすぐにできるわけではありません。

実際はシースから体外に出ている場所で動脈内にある造影用のカテーテルを操作するので、1m先のカテーテルの先端を数mmほど動かすには手元のカテーテルをどれだけまわすかは感覚的・技術的なものが問われます。上手になるためには少なくとも半年は訓練が必要になります。

右冠動脈に造影カテーテルを挿入
左冠動脈に造影カテーテルを挿入

 

造影カテーテルが冠動脈にはまれば、造影剤を5-10ccほど流して、心臓の血管を撮影していきます。続いて、左冠動脈にまたカテーテルをはめて、同様に造影します。

冠動脈は心臓を取り囲むように走っているため、角度をかえ何か所も撮影していきます。

 

右冠動脈の造影
左冠動脈の造影

検査終了 ~ 帰室

撮影が始まればだいたい10分程度で検査はおしまいです。

検査がおわれば、手首やひじのシースという管を抜いてしまいます。

ただ、このシースは太さ1.3mmほどの管が動脈内に入っていたためそのまま放置しておくと出血がとまらなくなってしまします。

しっかりと圧迫止血が必要になります。

手首ならテープやバンドで固定できるのですが、ひじや鼠径部からの場合、用手圧迫つまり医師によって動脈を圧迫止血が必要となります。

止血後は曲げたり動かしたりすると、再度動脈の穴がまた開いてしまい出血してしまうため、なるべく安静にして過ごしてもらうことになります。

朝に検査をされたかたは夕方には圧迫は解除されます。

以上がカテーテル検査の流れになります。

 

費用は?

かかる費用は宿泊数や施設によって多少の差はありますが、2泊3日で3割負担の患者さんが6-8万円、2割負担の人が4万円前後、75歳以上の1割負担の人は2万円前後となります。

 

 


 

[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”80″ fontweight=”” bgcolor=”#ef5350″ color=”#fff” margin=”0 0 0 -6px”]ココに注意[/st-minihukidashi]

[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ iconsize=”200″] わからないところはしっかり医者に確認しましょう[/st-cmemo]

 

心臓カテーテル検査は今や心臓CTの発達もあり、検査件数自体は増加していません。

日帰りでできる施設もありますが、やはり侵襲的な検査になります。リスクももちろんゼロではありません。

流れをしっかりと把握して、わからないこと不安なことはしっかりと担当の先生に相談しましょう。

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました