勤務医と開業医の年収ですが、ほぼ2倍近く違うといわれています。
みなさん、それぞれの医者の生活リズムの実態はどんなものかご存じでしょうか。
勤務医、開業医を経験した私が紹介していきたいと思います。
まずは勤務医時代のお話から。
私は循環器内科の医師でしたので、内科のなかではハードな分類になるかもしれません。
1週間の流れになります。
月曜日 午前:病棟業務+検査、 午後:外勤(電車で1時間程度)
18時から:病院にもどりグループ回診、個人回診、カルテ記載
火曜日 午前;病棟業務+検査 午後:外来
水曜日 午前:CCU回診、病棟業務 午後:教授回診、病棟業務+検査、19時から医局会
木曜日 1日外勤、 18時から病棟回診、カルテ記載
金曜日 病棟業務+検査、 18時からグループ回診、カルテ記載
土曜日 病棟業務 13時から抄読会
日曜日 休日(朝9時ごろ病棟回診)
おおまかな1週間の流れになります。
1日のスケジュールはこうなります。
6:30 起床
7:15 出発
7:45 病院到着、CCU患者の把握
CCU患者さんは重症な人が多いので、朝1番に回診をして、バイタルなどを確認します。
8:15 CCU回診、プレゼン
CCU室長と相談しながら、治療方針や一般病棟へ移動のタイミングをきめていきます。
9:00 カテーテル検査、担当なければ病棟回診
循環器内科ですから、カテーテル検査や治療に担当医として参加します。タイミングによってはこれが3件連続になったりすると、午前中はなにもできなかったりします。
12:00 外勤先へ出発
12時ごろに病院を出発できればよいですが、12時20分とかになると、外勤先の病院に遅刻しそうになります。時間がないので、移動中のロッテリアで昼ごはんを食べていたのはよい思い出です。
13:00 外勤先到着、外勤外来開始
13時から外勤先での外来になりますが、病院を離れていて、少し気持ち的には楽な気持ちで外来をしています。外勤先の外来はどこもそこまで忙しくはないです。
17:00 外勤終了
外勤が終了し、また病院に戻るのですこし気持ちは暗くなっています。不在時に患者さんが急変したり、新患さんが入院していたりすることが外勤あるあるといわれるほどでした。
18:00 病院到着、グループ回診
病院に到着して、まずはグループ回診です。グループ長と一般病棟の患者さんについての方針を決定したりします。あとは、研修医のプレゼンなどの練習の場になります。
18:45 グループ回診終了、午前検査の人の処置、明日検査の人の病歴聴取、担当患者の回診
グループ回診終了後から、病棟の担当患者さんへの訪問、診察、検査の同意書をとったりします。この時間から午前に検査した家族の人に検査結果を説明したりします。遅い時間までご家族にはお待たせしてしまい申し訳ない気持ちでした。
20:00 カルテ記載
これで終了ではなく、ここからカルテ記載があります。これは医者として義務になります。検査結果や方針、ムンテラ内容を記載しておきます。
21:00 病院出発
20時にカルテ記載ができればよいですが、21時に病棟が消灯してからもカルテ記載をして、帰宅になります。
21:30-22:00 帰宅
だいたい22時ごろが平均的ですかね、21時だと少し早いな、23時ごろだと遅いなっていう感じです。
ただ、何もない1日がこのスケジュールで、あとは学会が近く発表を予定している時はその準備を通常業務の後に行います。他にも1ヶ月に2−3回は飲み会もあります。グループの懇親会や地域の勉強会もあります。
極め付けは当直とオンコールシステムです。当直は月1−2回ありました。眠れればよいのですが、30も半ば過ぎると、体力的にはかなりきつくなってきます。また、オンコールというのは、緊急患者さんが夜中に来た場合、治療に必要な人数が3−4人必要なため、夜中に呼ばれたりするものです。週に1回程度当番になっており、月1回呼ばれることがあります。
こうやって見返すとそれなりにハードな毎日を送っていました。
当時はつらいとは思っていましたが、なんとかこなせていました。
最先端の医療に触れていることや重症の患者さんを対応している時の高揚感みたいなものがエネルギーになっていたかもしれません。
ただ、私が勤務医を辞めて開業医を選んだのは、タイミングもありますが一番は子供ですね。
子供ができてもこの生活だと子供の成長が見れないと思うようになったからです。
もっと子供と過ごしたいと思った結果、開業に至りました。
それでは開業医の一週間を紹介します。
月曜日 午前午後 外来
火曜日 午前午後 外来
水曜日 午前午後 外来
木曜日 午前 外来 午後 休み
金曜日 午前午後 外来
土曜日 午前外来 午後休み
日曜日 休み
うーん、変化のない毎日です。
大体毎日8:30から12時ごろまで、15:00ごろから18:00ごろまでと終わる時間も決まっています。
勤務医の頃のように何時に終わるかわからないということはありません。
この安定した生活リズムだからこそ色々とできることが増えました。
家族と過ごす時間もそうですけど、医学以外の勉強、経済などの勉強をとることができるようになりました。
人間的な生活を送れるようになった感じがします。
医学だけで過ごす人生もあったとは思いますが、まったく知らない分野を勉強できている今も充実しています。
私の収入はこの表の平均的な部類に当てはまります。
あらためて、この収入の差額はいかがでしょうか。
『勤務時間を比較すれば勤務医の方が少ない』、『開業医の方が個人のため借金などのリスクが多い』など色々な意見はあります。
両方を経験していえることは、どちらも楽しかったですが、勤務医を続けるのは年齢的に厳しいものがあるかなあという印象です。
勤務医時代の最先端医療に身を投じている感じや同僚と過ごす時間など貴重な時間でした。
また、開業医は孤独なところはありますが、肉体的負担が軽減したり、時間に余裕ができます。
ただ、開業医は1日中、外来のため人によって向き不向きが絶対あるため、一概におすすめはできません。
向いていない人もいるでしょう。
以上が医者の生活リズムです。専攻する科や勤務する病院、病院以外で働く医師や研究者様々な人がいるため今回紹介したタイムスケジュールがすべてではないので、ご理解ください。
それでは。
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